はじめに
イーコマース事業協会(会員数185)は、日本で最も歴史があり、日本最大級の“イーコマース(EC)事業者の商工団体”として活動している団体で、“イーコマースの経験・知識・情報を持った人が集まる場” を合言葉に、関西を中心に 日本全国からネットショップ関係者が定期的に集まって互いに学びあっています。
私はイーコマース事業協会会員で、広報委員会に所属の黒河と申します。
先日行われた第8回全国ECサミット2021の参加者の1人として、当日のレポートを報告致します。
全国ECサミットは一般財団法人日本電子商取引事業振興財団(J-FEC)、東海イービジネス研究会(TEK)、一般社団法人イーコマース事業協会(EBS)の3団体を中心に2013年より開催し、今回で第8回となります。
全国のEC関連団体のメンバーが一堂に会し、情報交換を行う大イベントですが、昨年からのコロナ禍において各団体の活動は制約され交流の機会が失われているため、オンライン上で全国の事業者が一堂に会し、開催されました。大変な中、運営やご準備に尽力頂いた皆さまに心から感謝致します。
参加人数:88名。
各団体を代表する3名の推薦講師に登壇いただき、EC自社としてのこれまでの歩みや施策についてご講演いただきました。
第1講演ではTEKからMURA株式会社 代表取締役 村瀬直人 様に「少ない商品数で売上、利益を伸ばし続ける。他店舗運営で売上最大化!」をテーマにご講演いただきました。
第1講演
MURA株式会社 代表取締役 村瀬直人 様が登壇
MURA株式会社では財布、バッグブランドMURAとして複数モールで店舗を運営されていますが、商品数は30~50と非常に少ないです。
一般的なアパレル企業の「商品型番を増やして売上を最大化する」という考え方ではなく、商品型番を絞り、商品ページやレビュー、アフターフォロー、広告などを含めてストック化していく取組についてお話いただきました。
流行を追うのではなく顧客のベネフィットの本質を考え「2年以上長く売れ続けるか」や売り方と実際に利益がとれるかなど商品開発での基準と実際の例もご紹介いただき、売上と利益を上げるということを考える上で参考にしたいと思いました。
第2講演はEBSから有限会社トリニティ 代表取締役 添田優作 様より「小さな会社のビジネスモデルイノベーション」を、テーマにイーコマース事業協会 会長 吉村正裕様とトークセッション形式でお話いただきました。
第2講演
有限会社トリニティ 代表取締役 添田優作 様が登壇
創業のきっかけから介護用品でEC事業を開始され、現在はシニアファッション事業へとビジネスモデルを拡大されていますが、自身で「しくじり先生」とおっしゃっていましたが、失敗された点とその分析も多くお話いただきました。
高齢者向けファッション事業の初期はブランドを開始してプロダクトアウトとなって失敗してしまったが、既存店舗、仕入れ商品で市場研究した結果80代70代の特性の違い等にも気づき新ブランドの展開につながったというお話が印象的でした。
こうした、すでにある事業の基本的な軸がある中で少し新しいプロダクトを試していくということで「ずらし」「Gradation Tactics」というワードでおっしゃっていて、こうした考え方私自身も中小企業の限られたリソースの中で事業展開をしていくという上では必要な考え方だと感じました。
第3講演は、J-FECから株式会社ビームテック取締役兼営業統括部長 吉田甚一朗 様に「ECにおける広告のセグメント、移り変わる集客やファンの作り方」をテーマにご講演いただきました。
第3講演
株式会社ビームテック取締役兼営業統括部長 吉田甚一朗 様が登壇
大学を卒業して個人事業主でマッサージ業に就いたという異色の経歴から現職にいたる経緯、
広告で商品を売るということ以前に「企業としてどういったサービスを届けたいのか」ということが重要という視点、
またECプラットフォームやサービスごとの仕様を理解することの重要さを、最新のECを取り巻くサービス・プラットフォームの状況を交えてお話いただきました。
キーワードの選び方で購入後のワードに着目するという点が新鮮に写りました。
全国ECサミット終了後は、オンラインで情報交換会が行われました。
次回は11月13日に開催です!
イーコマース事業協会の定例会についての詳細は、こちらをご覧ください ≫ https://www.ebs-net.or.jp/regular_meeting/
2021年10月9日 株式会社ロックウェーブ 黒河宏太郎(広報委員会)