はじめに
イーコマース事業協会(会員数213)は、日本で最も歴史があり、日本最大級の“イーコマース(EC)事業者の商工団体”として活動している団体で、“イーコマースの経験・知識・情報を持った人が集まる場” を合言葉に、関西を中心に 日本全国からネットショップ関係者が定期的に集まって互いに学びあっています。
私はイーコマース事業協会会員で、広報委員会に所属の京都インバン株式会社 辻昌宏と申します。
先日行われた「第169回定例会・情報交換会」の参加者の1人として、当日のレポートを報告致します。
5月11日13時からの各委員会開催の後、14時から「第169回定例会・情報交換会」が「CIVI研修センター 新大阪東」にて開催されました。
参加人数は会員:90名 ゲスト :3名。
第1講演では、株式会社松平商会 代表取締役 奥平哲也様に、「知ってるだけではダメ!動かなければ始まらない「行動のすゝめ」」についてお話を頂きました。
第2講演では、SOMPOリスクマネジメント株式会社 関西営業推進室 特命リーダー 田中 彰様に、「気付かなかったでは済まされない? ~明日は我が身のサイバーリスクの現状と対策~」として、お話を頂きました。
第3講演では、株式会社プランナーズインク 代表取締役 竹内 猛様に、「多店舗展開のすすめ」と題し、お話を頂きました。
株式会社株式会社松平商会 代表取締役 奥平 哲也様が登壇
ご講演タイトル 「 知ってるだけではダメ!動かなければ始まらない「行動のすゝめ」 」
■聴講者の声
奥平様は、2001年大学在学中にデニム加工業で起業をなされ、その後大学ご卒業後営業職で就職をなされましたが、
2か月後に退職され、2004年にデニム業を再開、
2007年には兼業WEBデザイナーとして楽天市場で販売するWEBサイト製作を開始されました。
2010年には輸入貿易商社「株式会社松平商会」を設立され、主にアンドロイド端末向けのスマートフォンケースのネット販売、
中国を中心とした東アジア諸国との貿易事業、自社のネット事業運営の経験を活かしたECサポート事業を行われています。
講演では、『知ってるだけではダメ!動かなければ始まらない「行動のすゝめ」』をテーマに、お話いただきました。
奥平様がエビスに入会してから約3年間の中で定例会や勉強会、合宿に参加され、エビスで学び実行されことを、事例を元にご紹介いただきました。
EBS入会前は、知っているけど実行していない、結果を出されていない状況でしたが、
「知っている→理解できる→実行できる→結果を出せる→人に伝えられる」を念頭におかれ、ECと会社運営に本気で向き合われておられます。
2016年に参加されたエビスの合宿で学ばれた「3C分析・売り手目線からの脱却・UPSのお話」を実践され、
自社の強みと弱み、また競合他社の強みと弱みを徹底的に考えられ、お客様に選んでもらえる理由の深掘りをなされました。
スマートフォンケースという激戦区の中、あえて売れ筋のiPhoneではなく、
本気の競合の少ないandroid端末のスマートフォンケースに特化し、自社の強みであるファッションアイテムとして見せる販売方法で売り上げを伸ばされました。
その手法として、勉強会委員会開催の写真勉強会(木下直一先生)に参加をされ、魅せる写真を実践されておられます。
また、スタッフとのベクトルを合わせるべく、スタッフに目的意識をもってもらうことも実践されています。
こちらは、昨年10月エビスの労務勉強会で学ばれた「いい会社カード」をもちいて、スタッフ個別の問題点をより明確にされておられます。
ミーティングをなされるなど、エビスで学ばれたことを、即実践・行動を常に念頭に置いてなされています。
奥平様の講演をきいて、エビスがいかに多くの気づきの機会をもたらしてくれているか再認識しました。
しかし、その気づきは、「知っている」だけでは活かすことができず、「理解、実行」まで移さなければ意味をなさないので、私自身、即行動に移したいを思います。
第2講演 SOMPOリスクマネジメント株式会社 関西営業推進室 特命リーダー 田中 彰様が登壇
ご講演タイトル 「 気付かなかったでは済まされない? ~明日は我が身のサイバーリスクの現状と対策~ 」
■聴講者の声
近年、ニュースや新聞紙面を賑わす「サイバー攻撃・情報漏洩」なんとなく理解しているつもりでいましたが、どこか自分には関係ないというような思いがありました。
田中様の講演にて、世界的にみて発生の可能性の高いグローバルリスクとして、異常気象や自然災害に続きサイバー攻撃が挙げられていることをかわきりに、
日本におけるサイバー攻撃が増加していることを資料を基にご説明いただきました。
また世界中から現時点におこなわれている不正アクセスを拝見し決して他人ごとですまされないことがわかりました。
これから日本は、2019年G20、2020年東京オリンピック・パラリンピック、2025年大阪エキスポと世界的イベントが続き世界各国から注目が集まります。
そのような中、サイバー攻撃は自然災害等とはことなり、目的を持った攻撃者(国を含む)によって引き起こされます。
そのため、事故を前提として万一を想定した対応について検討し準備を整えておくことが有効となります。
サイバー攻撃のリスクについて、理解しておかなければいけない、対処しておかなければいけないと思いながら、ついつい後回しにしていましたが、
今回の講演を聞いて、決して他人事ではなく、自社に置き換えておかなければいけないことを再認識しました。
第3講演 株式会社プランナーズインク 代表取締役 竹内 猛 様が登壇
ご講演タイトル 「 多店舗展開のすすめ 」
■聴講者の声
竹内様は、楽天3店舗、アマゾン2店舗、YAHOO!ショッピング、Wowma!、Qoo10、ショップリスト、ポンパレモール、他に出店されており、
激戦区のファッションカテゴリの中敢えて手間やコストのかかる多店舗展開を積極的に導入されています。
講演では、『多店舗展開のすすめ』をテーマに、お話いただきました。
竹内様が、多店舗展開を導入されている要因としましては、一般的に言われている販売機会の獲得と企業のリスク回避があげられます。
消費者は、買いたいモールが決まっており、
楽天市場なら楽天市場で、AmazonならAmazonでYAHOO!ショッピングならYAHOO!ショッピングで買われる傾向が強く、
買いたいモールに商品を販売していなければ、販売する機会すらないことを詳しくご説明いただきました。
そして、企業のリスク回避という側面では、
一つのモールや一商品に依存すると、急な規約変更等により予期せぬペナルティをうけたり、
競合他社の出現により会社の存続自体を揺るがせかねないことになることを、竹内様の実際ショップで起きた事例をもとにお話しいただきました。
また、昨今なにかと話題になっている配送会社の選定も、
コスト面だけで一配送業者に絞るのではなく、複数の選択肢を残すことによる長期的メリットについてこちらもショップの事例をもとにお話しいただきました。
企業の存続を一過性のものではなく、長期的存続させるためには、その時点での数字に依存した販売を避けることは、理論上わかっていてもなかなか実践できることではありません。
竹内様の話はネット通販だけにとどまらず、弊社のような、BtoBの法人営業、ショッピングセンターによる実店舗販売にも通じます。
私自身も、法人営業で売上の多数を占める得意先が一晩で無くなってしまう経験をしたことがあります。
今から考えるとなぜあの時にこうできなかったのか、ああしておけばよかったという思いがでてまいりますが、今回の講演を聴き再度日々の業務に依存はないか、できるリスク回避はないか見直したいと思います。
第1講演の奥平様、第3講演の竹内様ともに、
5月25日に行われるエビス勉強会にてさらなるテクニック論を交えた深掘りの話をしていただけるということでした。
情報交換会 新大阪ワシントンホテルプラザ 参加者60名
定例会終了後は、情報交換会
さて、定例会が終了した後は、新大阪ワシントンホテルプラザにて情報交換会が行われました。
イーコマース事業協会は “業種・業態・地域・経験・年齢・立場” が異なる会員同士が、
イーコマースという共通のテーマで対等の立場で学んで、会って、
お互いに情報交換しながら自分のビジネス向上の気づきを得る場として情報交換会を行っています。
今回の情報交換会は60名(講師含む)名が参加し、お互いに知見を交換しあったり、相談しあったり、激励しあったりしていました。
今回の情報交換会では、会場のレイアウト変更していただき、参加者の更なる交流をはかりました。
立食スタイルということもあり、活発に色んな方と交流を図る会員さんやビジターさんの姿があり、有用な場になりました。
次回は6月8日に開催です!
次回の第170回定例会も新大阪で開催予定です。
イーコマース事業協会の定例会についての詳細は、こちらをご覧ください ≫ https://www.ebs-net.or.jp/regular_meeting/
2019年5月27日 京都インバン株式会社 辻 昌宏 (広報委員会)