7月定例会にて、「これからEC事業責任者に必要な思考と行動~店舗を任され3年間の振り返りと今後のEC事業について~」をテーマにお話頂いた、フランツ株式会社 EC部責任者の中林 慎太郎氏に、今回はebsとして単独インタビューさせていただきました。
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フランツ株式会社 EC部責任者 中林 慎太郎様
―なぜネット通販事業を始めようと思われたのですか?
中林 慎太郎氏:
洋菓子は通常、お店から約1時間から2時間くらいのお持ち帰りの時間しか対応できなかったのですが「冷凍」して販売することにより日本全国に神戸から洋菓子を届けようと思ったからです。
―ブランディングのお話の中で「お客様の手元に届けるまでが受注業務」とありましたように店舗とお顔の見えないお客様との関係づくりを徹底されている印象を受けたのですが、お話にあった「配送完了メール」以外にお客様との関係づくりに取り組まれていることはございますか?
中林 慎太郎氏:
そうですね、弊社の場合はギフトという日用品とは違うお客様の代わりに先様へお届けするという業務を担っているとおもっているので、まずは先様の手元に届くまでを受注業務という形で考えております。また、キャッシュカードや、ネットプロテクションズ(NP後払い)等でNGが出たお客様に関しまして、1週間という制限は設けておりますが電話もしくはメールを毎日ないしは2日に一回は連絡を取り、ネットで注文される多忙なお客様へなんとか連絡が届くよう努めております。
また、細かい部分ではガムテープの貼り方や、梱包の仕方等で箱を開けるという動作からお客様がワクワクして下さるよう、色々な仕掛けを日々考えて改良をしております。また、自らインターネットで買い物をしそこで自分がお客さんになった場合に何を考えるのか、何を気にするのかという事も勉強になると思います。
―会社に対し、どんどん新しいことを提案しているとありましたが、その提案内容はどのように検討したり、見つけたりしているのですか?
中林 慎太郎氏:
提案はサイトリニューアルから新イベントの設置に始まり、パッケージの提案、受注システムの仕組み・フローにも及びます。また、SEO等の知識からの様々な更新業務もそれに含まれます。どのように検討をとあるのですが、まず社風として良くも悪くもスタッフに自由な発言が認められております。そこで個々のスタッフが自ら提案をしていきます。また、その自由な発言が=自由な発想にもつながると思っております、スタッフが作業等の経験から、どんどん新しい物を自ら掘り起し、それに対しリスクマネジメントやトライ&エラーを考えまたは実行し、最終的に残るものがあればそれが採用されていくという形となります。ただ、私はココが一番重要だと思っておりますが、全員に共通して伝えている事は、パッケージであれば「ターゲット」や「意図」「思い」、システム等に関しては「理由」と「リスク」を発見し理解をして提案できる形まで自分の中で消化するという事です。そこで良く使う言葉は、一度自分がいる会社をクライアントだと思い提案してみなさいという事です。
―いままでで「最大の失敗」と「それをどう乗り越えたか」を教えてください。
中林 慎太郎氏:
ん~・・・それはいつも人数が少ないという事でしょうか? まず最初の人数に関しては、今年の繁忙期は本当に人数が足りていませんでしたが、スタッフの気合いと根性で乗り越えました。ただそれは失敗でもあり、最後までスタッフが頑張ってくれたので成功でもあったとも言えます。また、それが行われたという事で、スタッフの間に一体感が出来たことも事実です。ただ、これは若いスタッフだったから耐えれた話で、今後システム・人員等でその辺のリスクをどんどん削って行かないといけません。その為、それに対しては現在作業フローの見直しやシステムの見直し等で試行錯誤をしております。
―今回のご講演では様々な「想い」が込められていたと感じましたが、講演をお聴きになった会員様に「実践して欲しいこと」を教えてください。
中林 慎太郎氏:
これは弊社社長の眞田の受け売りとなってしまいますが、まずは「お客様」に正直であること。そしてそこから生まれるニーズやトラブルを担当者がの自分の会社なりに変換し、それを実践し改善していく事をお勧めします。また、それに尽きると思います。
―当イーコマース事業協会での講演を終えられて中林様から見た当会の印象や定例会、情報交換会の雰囲気など、ご感想を教えてください。
中林 慎太郎氏:
参加させていただいて、とてもパワーがある会だなと思いました。インターネット事業の経験者や老舗のお店がたくさん参加賛同されており、私も色々な会社様とお話をさせていただき、逆に勉強になった点もございます。今回は、参加をさせていただき新たな経験にもなったので私の方が逆に勉強させていただいた感じで…。
―当イーコマース事業協会は「売上げ向上・技術向上のための勉強、並びに会員相互の会員交流・情報交換を通じて、電子商取引を含む健全なる情報化を社会に普及させることを目的とする」団体でありますが、入会間もない会員様、現在入会を検討している事業者様にエールをいただけますでしょうか?
中林 慎太郎氏:
「インターネットは儲かる。」そういう方もおられますが、それは半分嘘であり半分本当です。ただ単純にホームページを立ち上げ、ボーっとされていては売れるわけがありません。ECの皆さんはまじめに取り組み、日々研究と勉強をされております。1人で学ぶと知識が偏ったり自らの固定概念に囚われたりしてしまいますが、既に成功と失敗をしている方のおられる会に、参加されることは大変いいことだと思っております。そこでまずみなさんの経験談に耳を傾けてみるともしかしたら抱えているトラブルの解決方法や売り上げを伸ばす近道があるかもしれません。
○講演タイトル
「これからEC事業責任者に必要な思考と行動~店舗を任され3年間の振り返りと今後のEC事業について~」
○講師プロフィール
フランツ株式会社 EC部責任者
中林 慎太郎(なかばやし しんたろう)
大阪の学校でネットワークエンジニアになる為の学科に属していたが、WEBとFlashに魅了され独学でそれらを勉強する。
卒業後単身東京へ行きWEB制作会社でFlasherとして芸能プロダクション・テレビ局等のサイトを構築、その後フリーランスとなりWEBサイト等のデザインを手掛ける傍ら、Tシャツのブランドを立ち上げその頃のSNSの主流であったmixiを中心に販売を開始する。
27歳で東京を去り神戸に戻る。 インターネットの販売という分野に興味が湧き「神戸フランツ」に入社。 その1年後にはほぼ100%の運営を任され、2年後にはバラバラで運営していたWEB部門と受注部門を統括しEC事業部責任者となり今に至る。
「これからEC事業責任者に必要な思考と行動~店舗を任され3年間の振り返りと今後のEC事業について~」
○講師プロフィール
フランツ株式会社 EC部責任者
中林 慎太郎(なかばやし しんたろう)
大阪の学校でネットワークエンジニアになる為の学科に属していたが、WEBとFlashに魅了され独学でそれらを勉強する。
卒業後単身東京へ行きWEB制作会社でFlasherとして芸能プロダクション・テレビ局等のサイトを構築、その後フリーランスとなりWEBサイト等のデザインを手掛ける傍ら、Tシャツのブランドを立ち上げその頃のSNSの主流であったmixiを中心に販売を開始する。
27歳で東京を去り神戸に戻る。 インターネットの販売という分野に興味が湧き「神戸フランツ」に入社。 その1年後にはほぼ100%の運営を任され、2年後にはバラバラで運営していたWEB部門と受注部門を統括しEC事業部責任者となり今に至る。