一般財団法人日本電子商取引事業振興財団
伊藤 正仁様

2011年1月定例会にて、「お客様視点で見直すネットショップの写真」をテーマにお話頂いた、一般財団法人日本電子商取引事業振興財団 伊藤氏に、今回はebsとして単独インタビューさせていただきました。定例会の詳細はこちら

一般財団法人日本電子商取引事業振興財団 理事 伊藤正仁様
―今年もよろしくお願いいたします。お忙しい中、関東から来ていただきましてありがとうございました。
伊藤 正仁氏:
こちらこそよろしくお願いいたします。毎年、年の初めの講演を依頼されるので、正直プレッシャーを感じましたね。
―申し訳ないです。毎年いろいろためになる話を頂いております。写真のテクニックからページの作り方までいろいろ教えていただいているのですが、今回の定例会ではどのような話か、今一度お伺いしてもよろしいでしょうか。
伊藤 正仁氏:
撮影のノウハウについてだけではなく、いろんなことを含めて話をさせていただきました。写真だけでは何の意味もないですからね。写真が良くてもページやキャッチコピーが悪ければ駄目ですし、何より作業に時間をかけてしまうと効率が悪くなってしまいます。作業をしてると「仕事している」気分になって逃げてしまうんですよね。ですから私は、成果を挙げるためにページ全体をどのようにするか、と言う構想には時間をかけますが、それから先は写真もページ作成もかなりのスピードで作ってしまいます。
―なるほど。しかし写真の伊藤さんというイメージから考えると、写真以外の部分を重視するというのは意外に思われる方が多いかもしれませんね。 でも以前、伊藤さんが勤めておられたSD(写真電気工業)さんの商品ページを見たことあったんですが、ページを見ながらスクロールしてて「ちょっと高いよなぁ」と思ったときに「でも、ちょっと高くないですか?」っていう消費者目線の質問がデカデカと画像で載っており、その下にそれに対する回答が書かれていました。正直「やられた!」って思いましたよ(笑)。伊藤さんのおっしゃることはそういうことなんですよね。
伊藤 正仁氏:
一番大事なのは「お客さんのことを考える」ことなんですよね。それを勘違いされている方は、写真で悩んでいるといっても実は写真以前の問題だったりします。 たとえば「はんこ」の場合、高いもの・いいものを買って満足したい人は「風格」を重視するでしょう。だからどんな写真でと言うより、社長用とか役員用とかいうターゲットを考えてページを作ることが先になって、写真はそれからになると思います。 光り物の光沢を美しく撮影したいと言った質問もありましたが、光の当て方も重要なんですが実は背景の雰囲気も同じぐらい大事だったりします。もっと言うと、ものによってはカタログの写真を真似たり、合成で済ますことが一番の場合もあるんですよね。 「どうすれば買ってくれる人が幸せになるか」と言うのを突き詰めるのが一番大切なんですよね。私は皆さんに満足頂きたい事を重視してますのでよくSDの商品で「この商品を買ったほうがいいですか?」と聞かれたときに、よく「いりませんよ」と言ってました。SDを退職した今のほうが遠慮せずにSDの商品を勧めることがあったりします(笑)。
―講演をお聞きして本当に感心しました。「お客さんのことを考える」 当たり前だけど、とても大切ですよね
伊藤 正仁氏:
そこから逃げたら絶対駄目ですね。常に考え続けてほしいと思います。第三者のつもりになって、お客さんが本当にほしいものを探してきましたって言う意識を持つこともいいと思います。 ただ、利益の追求は当然必要です。SDの楽天店に膨大な撮影ノウハウページを掲載してますが、それはお役に立ちたいと言う気持ちもありましたが、本音は問い合わせの対応時間を減らすのが目的だったんです。ですからこのコンテンツは問い合わせの多いものから優先して作成しました。 また、価格なども戦略的に、冷静に設定してきました。そういった面も重要です。
―ありがとうございます。ところで今回は伊藤さん自身のことをお話いただきましたね。以前からどういった過程で今の伊藤さんがあるのかなと思ってましたので、個人的にはとてもタイムリーでした。
伊藤 正仁氏:
実はこの仕事を始めたのは「なんとなく」なんですよね。今回エビスさんでは何回も講演させていただいてますので、少し趣向を凝らそうかなと言うのと、SDを退職したこともありましたので、今回お話させていただきました。いろんなところで講演をしましたが、この話をしたのは初めてですね。
―そのお話をお聞かせいただいたことで、伊藤さんが素人からのスタートで試行錯誤や経験をつまれたことと、それによって得られたノウハウを惜しげもなく教えていただいたことがわかった気がします。本当にありがとうございました。 最後に、SDさんを退職されたと言うことですが、今後伊藤さんがどのようなことをされるのか、構想をお持ちなんでしょうか?
伊藤 正仁氏:
特に何も考えていません(笑)。 実はぼんやりとは考えているんですがまだ人に話せる段階ではないんです。今はとにかく、少しゆっくりしたいなと思っています。
○講演タイトル
「お客様視点で見直すネットショップの写真」

○講師プロフィール
一般財団法人日本電子商取引事業振興財団 理事
伊藤 正仁(いとう まさひと)

ネットショップのための商品撮影のスペシャリストとして、全国各地で年間20~30の撮影講座の講師依頼を受け続け、自らのネットショップ運営の経験を活かした、超実践的撮影講座として高い評価を得ている。 Amazon総合ランキング第3位の実績を持つ、ネットショップ向け商品撮影ノウハウ本「カメラマンになるな、演出家になれ!」の著者でもある。
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