株式会社ヤッホーブルーイング
井手 直行様

2018年4月、イーコマース事業協会16周年記念イベント ネットショップカンファレンス2018にて、
「よなよなエール流 差別化戦略~赤字企業からクラフトビール最大手への軌跡~」をテーマにお話頂いた、
株式会社ヤッホーブルーイング 井手氏に、今回はebsとして単独インタビューさせていただきました。
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株式会社ヤッホーブルーイング 代表取締役社長 井手 直行様

―御社の掲げるミッションのもと、社員の皆さまが同じ方向を向き、様々なお取り組みをされているようにお見受けしますが、
意思統一や目的一致の為に意識されていることはございますでしょうか。
また会社の規模が拡大されてそういった部分はに変化はございますでしょうか。
井手 直行氏:
意識していることは沢山あります。順番に言いますと、
1.「諦めない」:諦めずにずっと続けていれば段々に方向性は合っていきます。多くの企業は急ぎ過ぎて強引にやったりすると表面上はうまくいっているように見えても心の中では納得していない場合があります。また、初期の方向性が合わない時に諦めたらうまくいきませんが、諦めなければいい方向にかならず進みますので、そう信じて行動しています。

2.「あの手この手」:ある打ち手について会議の場などで意思統一できても本当に納得しているかわかりませんし、理解していないかもしれません。日ごろの行動や些細な言動など、至る所で打ち手に関わる話題が出た時に説明を繰り返し、意思統一を色んな角度から何度もとっていくということが大事です。

3.「採用」:そもそもミッションに共感していない人はそれを達成するための各種打ち手の納得感が少ないです。いかに自社のミッションなど大きな方針に共感している人を採用するかが大事です。


会社の規模が大きくなると、人数が増えたり拠点が増えたりしてコミュニケーションの取り方が変わってきます。不効率でも全員を各拠点から集めた会議を定期的に行ったり、メールだけでなく顔が見えて話ができるようにTV会議システムを導入したり、縦割りにならないようにチーム横断的なプロジェクトを多用したり、色々工夫してコミュニケーションをとり、意思統一を図っています。
―差別化戦略のもとで他社がイベントなど多くのアイデアや施策を実行されてきたと思いますが、御社内でそのアイデアを考えるのは一部の限られた方々なのか、もしくは誰でも提起が可能なのでしょうか。
社内からアイデアや意見を吸い上げる仕組みや施策がもしございましたらお教えいただけますでしょうか。
井手 直行氏:
その打ち手に密接にかかわるチームのメンバーが中心になって企画を考えますが、大きなイベントになると大体チーム横断的なプロジェクトチームを発足させ、そのメンバーが中心になり企画を考えます。
プロジェクトは希望者が全員参加できる仕組みになっています。つまり興味があれば誰でもどんなプロジェクトにも手を挙げて参加できるというものです。
―リスクが伴う差別化戦略を実行し成功されてきたと思いますが、逆に失敗されたこともあったかと思います。
失敗するパターンや気をつけるべき点などがもしございましたらお聞かせください。
井手 直行氏:
細かな失敗は色々あると思いますが、大きな失敗は・・・ちょっと思い出せませんね。
ひょっとしたらないのかもしれませんし、気にしていないのですっかり忘れているのかもしれません。
それと、そもそも大きな戦略は決して諦めないので、いつか成功しているということだと思いますし、今も継続していて芽が大きく出ていないだけで「失敗」と現在考えていないのでカウントできていないということだと思います。
―当イーコマース事業協会は「売上げ向上・技術向上のための勉強、並びに会員相互の会員交流・情報交換を通じて、電子商取引を含む健全なる情報化を社会に普及させることを目的とする」団体でありますが、ご講演を終了してみてのご感想や、定例会の印象などお聞かせいただけると幸いです。
井手 直行氏:
皆さんとてもまじめで、一生懸命勉強をしている印象を持ちました。
素晴らしいことだと思います。
このような活動を続けていってどんどん自己を磨いていってほしいと思いました。
楽しい時間をどうもありがとうございました。
○講演タイトル
「よなよなエール流 差別化戦略~赤字企業からクラフトビール最大手への軌跡~」

○講師プロフィール
■井手 直行(いで なおゆき)氏
株式会社ヤッホーブルーイング  代表取締役社長
ニックネーム:てんちょ
1967年(昭和42年)9月生まれ
福岡県出身。
国立久留米高専電気工学科卒業。
大手電気機器メーカーにエンジニアとして入社。
広告代理店などを経て、97年ヤッホーブルーイング創業時に営業担当として入社。
2004年楽天市場担当としてネット業務を推進。看板ビール『よなよなエール』を武器に業績をⅤ字回復させた。
08年より現職。全国200社以上あるクラフトビールメーカーの中でシェアトップ。
13年連続増収増益。
著書に『ぷしゅ よなよなエールがお世話になります』(東洋経済新報社)


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