今回は株式会社シーキューブ 代表取締役 安本 昌巨氏にお話をお伺いしました。定例会の詳細はこちら
株式会社シーキューブ 代表取締役 安本昌巨様
今回は安本先生に、コミニケーション心理学NLPを活用した実践的なお話をいただきました。NLP自体を知っている会員さんが少なかったのですが、講演の後の懇親会で参加者の皆さんが、おもしろいお話だったと興味深そうにされている方が多くいらっしゃいました。ネットショップは対面販売で無い分、リアルのお店よりもお客様とのコミュニケーションについてもっと色々と考える必要があると思うのですが、NLPを用いてネットショップでも使える何か良い手法はありますでしょうか。
安本 昌巨氏:
コミュニケーションですから、情報発信自体、大切ですよね。そうして、コミュニケーションは、「何を伝えるか」と、思ってしまいがちですが、実は、「どんな反応があるか」、がより大切です。ネットショップであるからこそ、文章やコメントなどの言語が、より重要になってきます。「反応」を考えるときは、その言語が、受け手の感情に、どんな考えを呼びおこし、どんな思いが起こり、どんな影響を与え、どんな行動を起こすのか、という変化を順番に与えていくから、です。そうして、文章は、その時々に起きるお客さんの感情をひとつひとつ吟味しながら、時には改良しながら、よりよく作り変えていくことができるので、いいですよね。 NLPを用いて、読み手のお客様に、共感や、安心を伝えて、行動(購買)の目的を明確にしてあげること、で、「買わされてしまった」などの後悔もなく、より、よい売り手と買い手の関係も築けると思います。
口語のコミニュケーションのように、「言ってしまった、」という感じより、より、しっかりと練ることができるので、言語の影響力を、十分に吟味したうえで活用できる。まずは、何気なく使っている言葉の力を、今一度、吟味してみる。体系づけられているので、NLPの理論を使ってみるのもいいですし、また、わからなくっても、自分自身がお客さんになりきってその言葉を味わってみるとよくわかるのではないでしょうか。
―コミュニケーションと言う意味では、商品ページに掲載するキャッチフレーズや、商品説明文などもお客様とのコミュニケーションの部分になるかと思います。商品購入に至るまでの心理ハードルを下げる為の施策を色々とこれまでネットショップは模索して来ましたが、キャッチフレーズや、商品説明文を作る際に、講演でお話いただきましたNLPの「VAK」別にお客様像を考えて行うと、キャッチフレーズや、商品説明文がすごく作りやすくなると思いました。ネットショップでの商品ページは、読み物が接客の要素を持ちますので、どの様な読み物にする流れが良いのでしょうか。
安本 昌巨氏:
そうですね。読み物が接客する要素として、ということですが、普段口にされていることと、文章も、同じだと思います。ですから上手に売る営業マンの言葉を文章にするということでも、かなり効果は期待できると思います。 と、すいません、NLP的に解説しないといけませんね。ただ、文章だから、と、構えなくとも、たとえば今までで、上手にスムーズに販売できたフレーズなどは、そのまま文章にしてみるのもいいですよね。NLP的にいうと、自分がうまくいったモデリングという方法です。うまくいった方法を真似てみる、再現する、それであれば、簡単に良い文章になるのではないでしょうか?わかりやすいテクニック的なものですと、さっき黒田さんがおっしゃっていただいた、VAKを意識的に使ってみることで、読み手にその商品や、またさらに、商品の購買後のそれを使用して喜んでいるイメージが連想しやすくなる、そうしてより商品への欲求が高まるという効果はうまれてきますよね。
話は飛びますが、ヒット曲の歌詞なんかをみても、同じ傾向があると思います。その曲で、イメージされるものが聞き手に連想されやすいもの、目からの見える情報のV、耳からの音の情報V、匂い、味、体で感じるK、の感覚を、アットランダムに、繰り出されていますもんね。これら五感を使ってもらうように促す言葉は、より読み手がイメージしやすくなり、わかりやすくなるということです。そうして読み手は自分の記憶の中にある五感を動かし、自身でイメージしたことが重要な要素となって、行動の決定の働きかけにつながっていくのですね。
―また、クレームへの対応手法についてもお話いただき、皆さんとても興味深く聴講されていました。我々ネットショップは、お客様とのコミュニケーションは、通常Eメールですが、クレーム対応の際にはお客様がEメールでクレームを言って来たら、ショップ側はどう対応すべきかも具体的にお話いただき、クレーム対応についての考え方を理解する事ができました。ネットショップはお互いに顔が見えない商取引ですが、どんな点に注意してお客様と接してクレームを未然に防げば良いでしょうか。
安本 昌巨氏:
これだけ、言語の力、素晴らしさ、を話しておきながらですが、実は、言葉というものは、コミュニケーションとして伝えているのは、7%のウエイトであるといわれるぐらい、ほんとの一部分なんですね。ですから、言葉からの、誤解も起こりやすいですし、思い違いになることもしばしばあると思います。クレームを未然に防ぐ方法というと、それはネットショップというだけにかかわらず、どのビジネスであっても同じだとは思います。どこまでお客さんの立場で考えて運営していくのか、また、クレームはどこかで必ず起きてくるものではあるので、それにどう対処していくのか、という姿勢そのものが大切ですよね。 そうして、そんなクレームなどのトラブルに向かわなければならないとき、気が重くなりがちです。そんな時は「クレームトラブル」を「仕事」という単語に置き換えてみるのもいいかと思います。「とんでもないクレームだ」を「とんでもない仕事だ」ととらえ直すだけでも、気が楽にならないでしょうか。「仕事ならしょうがないか‥」と。さらには、「このクレームは、どんな良い意味を、私に教えようとしているのだろうか」と考えを変えながら、取り組むと、次の行動も変わってきたりしないでしょうか。そうして動きやすくなったりしないでしょうか。これらは、講座の中で話したリフレーミングという手法ですね
―現在、多くのショッピングサイトが開設されていますが、いろいろなホームページを先生が客観的にご覧になって、NLPの観点からどんな印象を持たれていますか。
安本 昌巨氏:
格差社会、になっているんじゃないでしょうか(笑)上手くいく人は、どんどんうまくいく。やり方がわからない方は、何をすればいいのかわからないから、そのまま同じ状態。もしくは、ちょっと試してみたけど、上手くいかなかったので、あきらめるしかない。のような。うまくいかれているお方は、無意識的であっても、上手なコミュニケーションをつかわれていますよね。それはセンスや生まれ付き備えもったものなどもあるのかと思います。 と、いってしまうと身もフタもないですが(笑)。ただ、誰か人ができることは、必ず他の人にもできる、という前提がNLPにはあります。たとえば、極端な話、イチロー選手と同じ、中学、高校にいって、同じ靴をはいて、同じトレーニングをして、同じ食事をして、同じ数だけ素振りして、練習をして、同じ考え方で野球をして、と、やっていくと、イチロー選手とよく似た能力がそなわるのではないでしょうか、ということなんですね。これは極端な話として、時間的にも無理な話ですが、その重要な要素だけをピックアップしていくことで、近い存在になっていこうとすること、うまくいく方法をモデリングする、という手法ができると思います。簡単にいうと、上手くいかれている方の、どの部分がうまくいっているのか、それを分析して、平たく言うと、マネしてみるところから始める方法をとることはできますよね。
―今回のセミナーは、2時間半に渡って非常に盛りだくさんの内容でしたが、まだまだ時間が足りませんでした。同様の内容ですと、普段はどれくらいかけて勉強する内容だったのでしょうか。
安本 昌巨氏:
まずはNLP、ってなに?というところからでした。できるだけ時間内にお伝えできるものはお伝えしようと、足早に説明させていただきました。また、今回は、たくさんのおかたに、お話させていただける機会として、NLPとは、なにか、をお伝えする入門編のようなものとなりました。通常は、今日のような内容を15時間~20時間程度でしょうか。そして6人から20人程度の少人数で、実際にワークといって、ひとつひとつを体験しながら、行っていきます。自分自身がどのように感じるのか、人にどのように伝わっているのか、検証、確認していきながら、自分自身の体に覚えさせるというような体験型で、学んでいくのが主流です。NLPの学ぶ内容は、というと、これらを基礎編として、80時間程度その上の上級コースも60~80時間程度、という結構たっぷりと学ぶ時間が必要なものなのです。ただ、座学ではなく、実際に動きながら、他の人と一緒に行う作業が多く、受講中は大変と思うことは、少ないと思います。むしろ、「脳の取扱説明書」といわれる、脳が活性化されるような体験は、私は刺激的な体験だとも思います。―最後に、今回イーコマース事業協会にてご講演いただいた、先生のご感想をいただけますでしょうか。
安本 昌巨氏:
皆さん、とっても勉強熱心なお方が多いですね。講座の合間、終わった後、またそのあとの懇親会でも、たくさん、この場合はどうなるの、今日の講座をヒントに、ホームページに使う文章こんなのどうでしょうか?など、たくさんフイードバックなどをいただきました。熱気と真面目さとガッツと、がこちらイーコーマース事業協会さんにおられる文化なのかなと、思いました。失敗はない、あるのはフイードバックがあるのみ。という今回のNLP講座のメインテーマでした。が、私が今日感じた、ビジネスへの、熱い思いをお持ちであれば、失敗だといって、ネガテイブな感情に浸って落ち込むのではなく、そのうまくいかなかった方法を、次のうまくいく方法への糧に変えていく、そんな力づよさを感じました。○講師
株式会社シーキューブ 代表取締役 安本昌巨 氏
■プロフィール
1地元信用金庫を退社後、家業の工務店を継ぐ。当時、下請け工務店として、大手ハウスメーカーの営業してきた家を図面とおりに作るだけの会社であった。そこから元請け工務店へと一念発起。金なし、人脈なし、営業スキルなしの中、一生で一番高い買い物といわれる住宅を3年後には、年間15棟以上を受注、完工する工務店に成長。★米国NLP協会認定マスタープラクティショナー。
株式会社シーキューブ 代表取締役 安本昌巨 氏
■プロフィール
1地元信用金庫を退社後、家業の工務店を継ぐ。当時、下請け工務店として、大手ハウスメーカーの営業してきた家を図面とおりに作るだけの会社であった。そこから元請け工務店へと一念発起。金なし、人脈なし、営業スキルなしの中、一生で一番高い買い物といわれる住宅を3年後には、年間15棟以上を受注、完工する工務店に成長。★米国NLP協会認定マスタープラクティショナー。