2018年2月勉強会にて「差別化・独自性で選ばれる店になる!「ブランディング」勉強会」と題して株式会社サイバー・アシスト 代表取締役社長 吉村 正裕様にご講演頂きました。
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株式会社サイバー・アシスト 代表取締役社長 吉村 正裕様
価値交換をするには供給側(売り手)と需要側(買い手)が存在しますが、昭和50年以降の日本の市場は圧倒的に「供給側」である売り手が過剰な状態・・・つまり“モノ余りの時代”です。
そうなると、商品の「機能」や「性能」での差別化が厳しくなり、必然的に「低価格競争」に走ってしまいがちになります。
これらは経営を安定的に継続するためには好ましくない要素となるため、売り手は『ブランディング』によって、消費者の頭の中のマインドシェアを高め、「他社との差異化」を図り、消費者の「頭の中の同質化によってもたらす“価格”という価値」以外の価値意識を高めていく事が肝要と考えます。
私は、以前 京都伏見の酒造会社の社長でしたが、今から25年前、日本酒は灘・伏見の大手メーカーによる「パック増量・お値段据え置き」という“パック増量戦争”が起こり、その後、更に低価格競争に発展し、日本酒業界全体が疲弊していきました。
そんな中で、逆に「価格以外の価値」を打ち出して高価格で製品を市場に投入してきたメーカーが現れました。
「久保田」や「八海山」といった新潟の酒造会社でした。
その時、私は「ブランドの重要性」を営業の最前線で痛感しました。
ブランド戦略は、あくまでも会社の経営戦略に基づいて、消費者や見込み客に働きかけていくという「企業活動」です。
まずは会社のブランディングを先に考え、その上でそれを具体化するための商品ブランディングを考えるべきでしょう。
メーカーさんであれば「会社のブランドアイデンティティ」に基づき、商品をお作りになるでしょうし、小売業さんであれば「会社のブランドアイデンティティ」に基づき、商品を仕入れて販売される訳ですから。
そこで、売り手は「このブランドは●●です」といった「独自の価値」を主体的かつ客観的に見つけ出し、具現化して、買い手に意図的に働きかけて行かねばなりません。
そのため、まずは全ての従業員が「うちの価値は〇〇です」と即答出来なければなりません。
社内ですら浸透しないものは、社外に浸透など到底出来ないし、消費者と接する最前線の従業員がブランドの伝道師にならねばならないからです。
あえて一番注意すべき点を挙げるとすると、それは「社内の人々が一致したアイデンティティを共有できるか?」です。
ブランドイメージを浸透・向上させるためには、意図的に、継続的に一貫性を持って、コツコツと行っていかねばばなりません。
しかしブランドイメージというのは、お客様と接した1人のスタッフの一言や、1つの行動によって、一夜にして失墜する可能性もあります。
そのため、会社内で「ブランドイメージを維持・向上させるためには何をするべきか?」ということを明確にするのと同時に「何をしないか?」「何をしてはいけないか?」という事まで明確にして、具体的に行動プロセスにまで落とし込んでいく事が理想的なブランディングだと思います。
そして何よりも「1回作って終わり」ではなく、継続的に見直してブラッシュアップを図っていくことが必要です。
ブランディングとは少し分野や内容が異なりますが、江戸時代の老舗の商家は『のれん』というものを大切にしてきました。
『のれん』とは、「何のために会社が存在し、何のために経営し、働くのか」「会社は何を目指すのか?」といった会社の存在意義や不変の価値観のことです。
こういった 『のれん』と『ブランド』は車の両輪のようなもので、企業活動実態と乖離が無いか?ということを定期的に確認していきながら、これらを磨いていくのが理想的な形だと思います。
イーコマース事業協会は「単なる学ぶ場」「塾」ではなく「仲間同士で気づきあえる場」であり「仲間同士で教えあう場」でもあります。
演習で皆さんがシェアしあったり、勉強会が終わった後に 参加者の皆さんが自社の事例などをもとに参加者同士でお互いに意見交換や議論をしておられる姿は「これぞEBSの姿だなぁ」と改めて思いました。
企画・準備いただいた委員会の皆さん、そして参加いただいた会員の皆さん、ありがとうございました。
―ブランディングの目的、また必要性をどの様にお考えでしょうか。
吉村 正裕氏:
売買は「価値(対価)の交換」です。価値交換をするには供給側(売り手)と需要側(買い手)が存在しますが、昭和50年以降の日本の市場は圧倒的に「供給側」である売り手が過剰な状態・・・つまり“モノ余りの時代”です。
そうなると、商品の「機能」や「性能」での差別化が厳しくなり、必然的に「低価格競争」に走ってしまいがちになります。
これらは経営を安定的に継続するためには好ましくない要素となるため、売り手は『ブランディング』によって、消費者の頭の中のマインドシェアを高め、「他社との差異化」を図り、消費者の「頭の中の同質化によってもたらす“価格”という価値」以外の価値意識を高めていく事が肝要と考えます。
私は、以前 京都伏見の酒造会社の社長でしたが、今から25年前、日本酒は灘・伏見の大手メーカーによる「パック増量・お値段据え置き」という“パック増量戦争”が起こり、その後、更に低価格競争に発展し、日本酒業界全体が疲弊していきました。
そんな中で、逆に「価格以外の価値」を打ち出して高価格で製品を市場に投入してきたメーカーが現れました。
「久保田」や「八海山」といった新潟の酒造会社でした。
その時、私は「ブランドの重要性」を営業の最前線で痛感しました。
―既に会社も、商品もあります。ブランディング化の指示が出ました。会社のブランイングと商品のブランディング、どちらから先に進めていくべきとお考えでしょうか。
吉村 正裕氏:
ブランド戦略にとって一番重要な事は「一貫性」です。ブランド戦略は、あくまでも会社の経営戦略に基づいて、消費者や見込み客に働きかけていくという「企業活動」です。
まずは会社のブランディングを先に考え、その上でそれを具体化するための商品ブランディングを考えるべきでしょう。
メーカーさんであれば「会社のブランドアイデンティティ」に基づき、商品をお作りになるでしょうし、小売業さんであれば「会社のブランドアイデンティティ」に基づき、商品を仕入れて販売される訳ですから。
―ブランディングを構築するうえで、一番注意した方が良い点は何でしょうか ?
吉村 正裕氏:
ブランディングは、売り手が「こう思われたい」というアイデンティティと、買い手である消費者や見込み客が記憶の集積によって心の中で抱く印象「こう思う」を一致させる活動です。そこで、売り手は「このブランドは●●です」といった「独自の価値」を主体的かつ客観的に見つけ出し、具現化して、買い手に意図的に働きかけて行かねばなりません。
そのため、まずは全ての従業員が「うちの価値は〇〇です」と即答出来なければなりません。
社内ですら浸透しないものは、社外に浸透など到底出来ないし、消費者と接する最前線の従業員がブランドの伝道師にならねばならないからです。
あえて一番注意すべき点を挙げるとすると、それは「社内の人々が一致したアイデンティティを共有できるか?」です。
―吉村先生が考える理想的なブランディングとは、どの様な形、事でしょうか。
吉村 正裕氏:
ブランドは生き物です。成長もしますし 病気もします。ブランドイメージを浸透・向上させるためには、意図的に、継続的に一貫性を持って、コツコツと行っていかねばばなりません。
しかしブランドイメージというのは、お客様と接した1人のスタッフの一言や、1つの行動によって、一夜にして失墜する可能性もあります。
そのため、会社内で「ブランドイメージを維持・向上させるためには何をするべきか?」ということを明確にするのと同時に「何をしないか?」「何をしてはいけないか?」という事まで明確にして、具体的に行動プロセスにまで落とし込んでいく事が理想的なブランディングだと思います。
そして何よりも「1回作って終わり」ではなく、継続的に見直してブラッシュアップを図っていくことが必要です。
ブランディングとは少し分野や内容が異なりますが、江戸時代の老舗の商家は『のれん』というものを大切にしてきました。
『のれん』とは、「何のために会社が存在し、何のために経営し、働くのか」「会社は何を目指すのか?」といった会社の存在意義や不変の価値観のことです。
こういった 『のれん』と『ブランド』は車の両輪のようなもので、企業活動実態と乖離が無いか?ということを定期的に確認していきながら、これらを磨いていくのが理想的な形だと思います。
―今回の勉強会、懇親会を終えてのご感想や印象などお聞かせください。
吉村 正裕氏:
今回は座学だけでなく、演習も交えて4時間半行いましたが、皆さん長時間・・・本当に熱心に参加していただきました。お疲れさまでした。イーコマース事業協会は「単なる学ぶ場」「塾」ではなく「仲間同士で気づきあえる場」であり「仲間同士で教えあう場」でもあります。
演習で皆さんがシェアしあったり、勉強会が終わった後に 参加者の皆さんが自社の事例などをもとに参加者同士でお互いに意見交換や議論をしておられる姿は「これぞEBSの姿だなぁ」と改めて思いました。
企画・準備いただいた委員会の皆さん、そして参加いただいた会員の皆さん、ありがとうございました。