はじめに
イーコマース事業協会(会員数203)は、日本で最も歴史があり、日本最大級の“イーコマース(EC)事業者の商工団体”として活動している団体で、“イーコマースの経験・知識・情報を持った人が集まる場” を合言葉に、関西を中心に 日本全国からネットショップ関係者が定期的に集まって互いに学びあっています。
私はイーコマース事業協会会員で、広報委員会に所属の辻井利由貴と申します。
先日行われた「第182回定例会」の参加者の1人として、当日のレポートを報告致します。
4月10日13時00分から Zoomによるオンラインにて、イーコマース事業協会の 19周年記念イベント ネットショップカンファレンス2021が開催されました。
私はイーコマース事業協会会員で、広報委員会に所属の京都インバン株式会社 辻 昌宏と申します。
この度、先日配信されたネットショップカンファレンス2021の視聴者の1人として、レポートを記したいと思います。
参加申し込み人数は会員:61名 ゲスト :47名。
特別講演では、人生100年時代未来ビジョン研究所 所長 阪本 節郎 様に、「どう攻略!新しい大人市場~50代以上をネットでカネのなる木に?~」についてお話を頂きました。
基調講演では、法政大学社会学部メディア環境設計研究所長 藤代 裕之 様に、「ズレているおじさんが気づいていない若者の情報行動」についてお話を頂きました。
特別講演
人生100年時代未来ビジョン研究所 所長 阪本 節郎 様が登壇
講演名 「どう攻略!新しい大人市場~50代以上をネットでカネのなる木に?~」
阪本様は、(株)博報堂入社に入社後、プロモーション企画実務を経て、プロモーション数量管理モデル ・対流通プログラム等の研究開発に従事。
その後、商品開発および統合的な広告プロモーション展開実務に携わり、 企業のソーシャルマーケティングの開発を理論と実践の両面から推進されました。
2000年エルダービジネス推進室創設を推進され、2011年春、 発展的に「博報堂新しい大人文化研究所」を設立。
2019年4月に 独立して、人生100年時代 未来ビジョン研究所を設立され現在にいたっておられます。
特別講演では、「どう攻略!新しい大人市場~50代以上をネットでカネのなる木に?~」をテーマに、ご講演を頂きました。
■聴講者の声
「50歳以上の世代を『シニア』といってはいけない」
グローバルに進行する少子高齢化が、社会的問題といわれていますが、経済的にまた余暇時間に対する余裕がある世代は、50歳代、60歳代、70歳代以上の世代となります。
日本は、2000年を機に高齢化社会となっており、いい意味でも悪い意味でも世界のモデルとなっています。
2021年(令和3年)の日本の総人口は1億2557万人で成人人口は1億493万人となり、
50歳以上は大人の10人に6人、40歳以上は大人の10人に8人を占め、想定外の世の中になっています。
4年後には、団塊ジュニア世代も50歳代に突入し、今後50歳以上をターゲットにしなければビジネスにならない時代に突入します。
私自身も、団塊ジュニアにあたり、第2次ベビーブームのロスジェネレーション世代にあたります。
50歳代ではシニアと呼ばれて自分のことだと感じていませんし、決してシニアと呼ばれたく思っていません。
一昔前までと異なり、50歳以降で人は花さかせて余暇を楽しみたいと思っています。
そして、若々しい見た目でありたいと思っています。
従来のイメージで『シニア(高齢者)』と判断していると、『シニアと呼ばれたくない50歳代以上』の世代にギャップがうまれ、特に私たちのように商品を販売している側からみると、決して買い手目線になっていないこととなります。
今回の講演を聞いて『新しい大人のライフスタイル』を常に意識をして、今後お客様にアプローチをしたいと感じました。
阪本様、貴重なご講演ありがとうございました。
第13回全国ネットショップグランプリ授賞式
全国ネットショップグランプリは活動の一環として2009年から、「より良い日本のeコマースを追求している方々の育成・顕彰」を目的として、年に1回「全国ネットショップグランプリ」(旧エビス大賞)を制定し、「ネットショップが選ぶネットショップ」として、毎年 優れたネットショップを選出しております。
第13回となる今回は 令和2年11月14日~令和3年1月31日まで応募を受け付け、合計180店舗のご応募がありました。
◆審査結果
【グランプリ】 株式会社ヤッホーブルーイング よなよなの里
【準グランプリ】 有限会社フレックス パジャマ屋IZUMM
【準グランプリ】 株式会社クロシェ クロシェオンラインショップ
【ネットショップ担当者フォーラム賞】 株式会社小島屋 小島屋
【日本ネット経済業新聞賞】 株式会社早和果樹園 紀州有田みかんの早和果樹園
基調講演
法政大学社会学部メディア環境設計研究所長 藤代 裕之 様が登壇
講演名 「ズレているおじさんが気づいていない若者の情報行動」
藤代様は、1996年徳島新聞社に入社され、社会部で司法・警察、地方部で地方自治などを取材されていました。
文化部で、中高生向け紙面のリニューアルを担当され、2005年にはgoo(NTTレゾナント)、gooラボ、新サービス開発などを担当されました。
その後、関西大学総合情報学部特任教授(2013-15年)も務められ、専門は、ジャーナリズム論、ソーシャルメディア論、ゼミテーマは、ソーシャルメディア時代の「伝え方」の研究と実践されています。
基調講演では、「ズレているおじさんが気づいていない若者の情報行動」をテーマに、ご講演を頂きました。
ソーシャルメディア時代の情報接触
若い世代はレッドオーシャンで分かりづらいと言われています。
若い人は情報が多すぎると友達と情報を共有するサービスを求める傾向があります。
現在は多くのディスプレイに囲まれるいわゆる情報過多の生活を過ごしています。
現在の情報の接触は、「ながら接触」が多くなっています。
若者だけでなく、全世帯的に「今の世の中、情報が多すぎる」と感じています。
ここでのキーワードが『情報接触のズレ』が生じているということです。
ご講演のなかでは、いつどこでスマホ/タブレットを利用しているかの統計をもとに紐解いていただきました。
自分たちは、イーコマースという、スマートフォン接触と切っても切れない関係にあり、ここを押さえたサイト作成を今後取り入れていきたいと思います。
ニュースに対して
年齢が高くなると、「情報は取りに行くべきもの」という能動的なもの、若年層は「情報はことたりている」という受動的なものとして捉えて、若い人は、「自分が知りたいことだけ知っておけばいい」と思っている人が多くなっています。
自分のソーシャルメディア(エリア)には心地よさを求めますが、新しいものと接触する際には情報を検索し、自分のエリアにはいるべきものかを値踏みしているという、お話をきき考えを見直さないといけないと思いました。
ソーシャルメディアにたいして
「いいね!」は「どうでもいいね!」でもある
若者は、メモ程度に使うこともおうおうとしてあるとのことです。
近年、YouTubeやInstagramといったSNSを介したイーコマースの販売が注目されていますが、こと若年層をターゲットにする際には、注意が必要だと感じました。
また、検索の位置づけについてもお話いただきました。
『Googleでの検索』と『SNSでの#検索』 の使い分け、判断の材料にされていることを意識していけないと改めて感じました。
若い方は、空気を読むのが上手といわれていますが、自分の空気(空間)の居心地を良くしたいという思いよりも悪くしたくないという思い・ハズレを少なくしたいという思いが強いと感じました。
これからの若者向けのサービスをはじめる際には瞬間的接触を意識して大いに参考にしたいと思います。
藤代様、Z世代の動向をご教授いただきありがとうございました。
次回の第184回定例会もZoomを用いてオンラインで開催予定です。
イーコマース事業協会の定例会についての詳細は、こちらをご覧ください ≫ https://www.ebs-net.or.jp/regular_meeting/
2021年4月14日 京都インバン株式会社 辻 昌宏 (広報委員会)