はじめに
イーコマース事業協会(会員数227)は、日本で最も歴史があり、日本最大級の“イーコマース(EC)事業者の商工団体”として活動している団体で、“イーコマースの経験・知識・情報を持った人が集まる場” を合言葉に、関西を中心に 日本全国からネットショップ関係者が定期的に集まって互いに学びあっています。
私はイーコマース事業協会会員で、広報委員会所属の株式会社徳岡 佐々木亜依子と申します。
先日行われた「第165回定例会・情報交換会」の参加者の1人として、当日のレポートを報告致します。
11月10日13時からの各委員会開催の後、14時から「第165回定例会・情報交換会」が新大阪丸ビル別館にて開催されました。
参加人数は会員:90名 ゲスト :6名。
第1講演では、ティーライフ株式会社EC・海外事業本部EC事業課 荒井崇博様および、取締役 EC・海外事業本部長 草間崇様に、
「ティーライフ EC成長の軌跡」として、国内編・海外編の二部構成にてお話を頂きました。
第2講演では、LINE Pay株式会社 事業開発部 茶山博志様に、「LINE@・LINE Payセミナー」と題し、お話を頂きました。
本レポートでは、第1講演に関する内容のみ、掲載させていただきます。
第1講演 ティーライフ株式会社
EC・海外事業本部EC事業課 荒井崇博様、
取締役 EC・海外事業本部長 草間崇様 が登壇
■聴講者の声
ティーライフ株式会社様は全国のネットショップ運営者によって選ばれる「全国ネットショップグランプリ2018」で見事「準グランプリ」を受賞されたいま最も勢いのあるショップ様のひとつです。
第一部「国内編」にて講演頂いた荒井様は2008年4月に大手家電量販店に入社。
クレジットカード営業全国3位になるなど1年間営業に注力するも、その後経済の勉強をやりなおすために大学へ入学。
2013年現在のティーライフ株式会社に入社し、楽天・アマゾン・yahoo等ECサイトの店長として、ショップ・オブ・ザ・イヤー2017(ダイエット・健康ジャンル)を受賞するなどその才覚を発揮されております。
主力商品はルイボスティー、メタボメ茶、プーアル茶、まるごとさんかく茶などの健康茶を中心とした食品ジャンルで、カタログ販売や自社ECサイト、外部モール出店、LINE@、アプリなどの複数チャネルで販売。
外部モールと自社ECサイトにおける「お客様のニーズの違い」を分析し、
価格競争に乗るのではなく商品の差別化にこだわり、そのジャンルでNo.1を目指すことを意識した運営をされています。
なかでもルイボスティーは楽天レビュー10万件(★4.71)もついているという不動の人気商品となっておりますが、当初アクセスがあるものの転換率が思わしくなく悩んだ経験もあったとのこと。
そんな中、オリジナルでお試しサイズの商品を開発することでお客様の初回購入のハードルを下げ、新規のお客様を獲得していきリピーターを増やしていきました。
また、コールセンターでの対応も、お客様の満足度を向上するのに一役買っています。
スタッフにはダイエットアドバイザーがおり、日々の生活の悩みなどにも親身になって相談に乗ってくれるなどお客様と寄り添ったサービスを提供しています。
ティーライフ様の魅力は商品だけではなく、お客様との直接の触れ合いの中にもあります。
七夕にはお客様が願いを書いた短冊を富士山の山頂にお届けするという企画をしたり、
通称「伸ちゃん」として親しまれている植田伸司社長とお客様が一緒にお茶摘み体験をしたり、
東海道五十三次のルートをスタッフが徒歩でリレーし、行く先々でお客様と触れ合うなど、
本当に幅広くかつ積極的にお客様との交流を行っています。
そういった中でしっかりお客様と向き合い、様々なお声を聞くことで世間のニーズを知り新商品の開発なども行われています。
企業理念は「よろこんでもらえる喜び」。
講演を通して、ティーライフ様は常にお客様と対話し、触れ合い、喜びを分かち合うことをとても大切にしていることが伝わってくる講演でした。
また、荒井様をはじめスタッフ皆さんがそういった触れ合いを心から楽しんでいるのだと感じました。
私はこのお話を聞いている中、EC事業はなかなかお客様と直接触れ合う機会が少ないと勝手に決めつけていたように反省しました。
画面の向こう側には常にお客様がいて、どれだけそのお客様を想い行動できているのかを今一度見直すとても良いキッカケになったと感じています。
私の店はワインを販売しているのですが、
店頭にいればワイン選びに迷われているお客様がいればすぐにお声掛けし、話を聞き、目的に合ったワインを一緒に選ぶことが出来ます。
そういったお客様との対話が、ECサイトではどのようにしたらできるのか、まだまだ工夫できる点はたくさんあるのだと期待し、前向きに運営していきたいと強く感じました。
第二部は「海外編」です。
2016年より海外販売を開始、人気が出た台湾を中心とした海外ビジネスのお話を聞かせていただきました。
講演いただいた草間様は、1989年株式会社リクルート(現 株式会社リクルートホールディングス)に入社。
「赤すぐ」「eyeco」などの通販事業のメディア責任者としてEC化・デジタル化を推進、事業基盤作り収益化に注力されます。
その後外資系出版社を経て、2015年ティーライフ株式会社に入社。
EC事業を牽引し、楽天ショップ・オブ・ザ・イヤー2017(ダイエット・健康ジャンル)を初受賞されました。
2017年には台湾現地法人「提來福股份有限公司」を設立し董事長に就任されています。
まず海外展開の始め方として、2016年1月楽天等のプラットフォームを利用することから開始されました。
3月頃には情報収集を進める中で台湾にてお茶の自社販売成功事例を発見します。
約半年の準備期間を経て6月頃に越境テストを開始しましたが、当時は全く売れなかったとのことです。
仕切り直しとして、代理店を現地に変更したり、支払方法に後払い決済を導入してみたりと試行錯誤されました。
そういった中で1年間販売した結果、台湾での売上が一番よかったため、台湾での事業を軸として運営していきました。
商品はメタボメ茶の1品のみ。
日本名に近い音で商品名を設定するなどSEO対策も欠かしません。
価格は1000元(約3,700円)で、2個セットや3個セット、定期便購入などで販売しました。
広告活動としては、現地のTV番組内で紹介してもらい、その出演者のファンページでの露出、台湾用のFacebookアカウントの運営、Facebook広告も活用しました。
momoという現地のECモールのような総合サイトにおいても、TV通販やカタログ販売、WEB販売というすべての販売チャネルを網羅し運営していき、直接現地のお客様とも触れ合えるポップアップイベントも積極的に開催されました。
場所を海外に移してもティーライフとしての企業理念はぶれず「お客様の声」を大切にするスタンスで運営を進めておられるのだと感じました。
海外事業を進める中で想定外な出来事も相当あったようです。
通関における再検査や商品の欠品、関税の変更、受取拒否などによる返品多数などといったマイナスの面から、
TV放送で取り上げられたことで台湾以外の中国圏にも商品が広がったプラスの面の想定外、
そして実際にビジネスを開始するまで知り得なかった台湾での支払方法はコンビニ決済が主流であることを発見されました。
薬事法関連でも、広告表現が過剰であると指摘を受け過去5回も罰金を支払ったそうで、慣れない土地を舞台に、悪戦苦闘の日々を過ごされていたことがよく分かります。
しかしそうした経験や努力を重ねることでどんどん台湾での売上も伸びていき、
海外を意識したサンリオとのコラボデザインでの新商品開発やお茶を使った化粧品の販売など徐々に商品を充実させ売上拡大に向けた施策を進められています。
また、台湾のみならず香港へも進出、ダイエットクッキーのOEM生産を検討されています。
ベトナムでの現地の会社から卸売りの問い合わせがきっかけで、オンラインでのバイク便配達サービスなども始まっています。
マーケットとしてはやはり中国は無視できず、今後は中国を次の柱として投資すること、そしてBtoBのテストマーケティングを継続していくとのお話もありました。
台湾での経験を生かして多角的に新事業の発展に繋げていく、草間様のバイタリティ溢れるご活躍にワクワクしたのは会場で私だけではなかったのではないでしょうか。
弊社では海外に進出するというよりは代理店として海外より仕入れたワインを国内に流通させるという責務が大きいのですが、日本の茶文化を世界に広めるというティーライフ様とは通ずるものがあるように感じました。
マーケットを知りトライ&エラーで運営していくこと、想定外なことにも冷静に対処し決して諦めない姿勢。
まだまだ未熟ではありますがそれを肝に銘じ日々の運営に取り組んでいこうと思います。
今回の講演を通して、まずは生産者のこだわりや想いをもっとお客様へ共有できる場を作っていきたいなと思いました。
これをサイトに反映していきお客様にも海外の食文化の楽しさをご提供していくことが、自社ECサイトとしてのありかたではないかと考えております。
刺激をたくさんいただいた、充実した内容の講演でした。参加でき本当に良かったと思います。
エソラワークス様、グッドデザイン賞2018 グッドフォーカス賞受賞
この度イーコマース事業協会に嬉しい知らせが舞い込みました!
エソラワークス様の「オーダーメイドのぬいぐるみ クリッチャ」が、グッドデザイン賞グッドフォーカス賞[新ビジネスデザイン]を受賞されました!
大賞、金賞に次ぐ素晴らしい賞でございます!
今回の定例会で、代表の白石哲一さまより喜びのコメントを頂戴し皆で祝福しました。
グッドデザイン賞とは目に見えるデザインのセンスだけではなく、その商品をなぜ作ったのかというコンセプトなども評価対象だそうで、「想い」を形にしたデザインという点でも、高く評価された結果です。
本当におめでとうございます!
受賞した「オーダーメイドのぬいぐるみ クリッチャ」とは?
子供が描く想像力溢れる落書きやお絵描きを、そのまま立体感のあるぬいぐるみに再現するサービスです。
子供の絵の個性を活かしてそれぞれに製作しているものなので、決まったデザインはありません。
子供独特のいびつなタッチのままを表現したり、色を塗っていない絵でもカラフルなぬいぐるみにもできます。
幼児の描く線だけの抽象的な落書きもヒントをもらいながらユニークな形に具現化します。
自分が生み出した世界に一つしかないデザインを触れて遊べるぬいぐるみとして再現することで、想像は現実になると実感でき、子供の想像力と可能性を伸ばすことができるサービスだと考えています(公式サイトより抜粋)。
情報交換会 新大阪ワシントンプラザ 参加者84名
定例会終了後は、情報交換会
さて、定例会が終了した後は、新大阪ワシントンホテルプラザにて情報交換会が行われます。
イーコマース事業協会は “業種・業態・地域・経験・年齢・立場” が異なる会員同士が、イーコマースという共通のテーマで対等の立場で学んで、会って、お互いに情報交換しながら自分のビジネス向上の気づきを得る場として情報交換会を行っています。
今回の情報交換会は64名(講師含む)名が参加し、定例会の感想の共有や、お互いに知見を交換しあったり、相談しあったり、激励しあったりしていました。
立食スタイルということもあり、活発に色んな方と交流を図る会員さんやビジターさんの姿があり、有用な場になりました。
\ 新入会員様に参加した感想をいただきました /
★アイデア.com Yahoo!ショッピング店 Akiさん
「初参加でもスムーズに交流できて大満足!」
大勢の会員の方々とどう交流をしようか悩みながらの初参加でしたが、お隣の方にご挨拶したら、同じモールの店舗様を紹介してくださり、その方も同世代の方を紹介してくださり…と気がつけば数十名の方々と名刺&情報交換をしていました。
会員の皆様が進んで繋がりを見つけてくださるので、初参加でもいろんな方々のお話が聞けて大変刺激を受け、広告の事など悩んでいた事も相談できて大満足!翌日からの仕事の原動力になり、感謝しています。
また、会員は委員会に入り、全員が運営に参加できるのもいいですね。
私もこれからは聞くだけではなく、自らも情報発信してエビスの一員として楽しんでいきます!
次回は1月12日に開催です!
次回、年明け最初の第166回定例会も新大阪で開催予定です。
イーコマース事業協会の定例会についての詳細は、こちらをご覧ください ≫ https://www.ebs-net.or.jp/regular_meeting/
2018年11月25日 株式会社徳岡 Wine-Net 店長 佐々木亜依子 (広報委員会)